YOSHIKI新プロジェクト「Lady’s X(レディース エックス)」について

2016年6月14日、まさかのニュースが飛び込んできた。
Lady’s X(レディース エックス)プロジェクト?

「世界に向けた新たなビジュアル系ガールズバンド、その名もLady’s X(レディースエックス)をプロデュースする。」

というコンセプトを掲げたYOSHIKIの新プロジェクトらしい。

以前から構想があったとのことだが、なぜこのタイミングで発表したのだろうか。そしてYOSHIKIの本プロジェクトの真意はどこにあるのだろうか。現時点の情報を元に考察してみたい。

発表のタイミングについて

2016年当初の予定では、X JAPANは既に新アルバムが発売されており、3回目のワールドツアーを行っているはずだった。しかしPATAの急病により、アルバムやツアーは延期され、実質活動休止状態となっている。YOSHIKIにしてみれば、スケジュールが空いた格好なので、バンドが休止中に別プロジェクトを走らせる決断をしたのも頷ける。

しかし発表によると、オーディションの応募期間は2016年12月31日までの200日間もあり、活動休止中の穴埋めにしては、プロジェクトがすぐに動きだしそうな気配はしない。楽曲制作も並行して進める可能性もあるが、メンバーもバンドとしての形態も不確実な中、制作作業が進むとは考えづらい。敢えてこのタイミングで発表したのは、単にスケジュールの問題ではなさそうだ。

あくまで推測だが、本プロジェクトを進めるという決断に至ったのは、いずれにせよPATAの一件が影響していると思われる。X JAPANは現役バンドだが、メンバーは確実に年を重ねている。ハードなドラミングや、繊細なピアノ演奏を支える、首と腕に爆弾を抱えているYOSHIKIにとって、あと何年X JAPANとして満足な活動ができるかわからない。TOSHIの透き通るようなハイトーンボイスも加齢には抗えない部分もどうしても出てくる。SUGIZOも精力的な活動を続けているが、今年に入ってTwitterでは弱気とも取れる発言もあった。たまたま今回はPATAが倒れたが、X JAPANのメンバーは誰もが満身創痍なのだ。

そんなX JAPANをX JAPANプロジェクトとして存続させるための実験的な取り組みが「Lady’s Xプロジェクト」なのかもしれない。YOSHIKIは過去何人ものアーティストをプロデュースしてきているが、「X」と名のつくプロデュース案件は今回が初めてだ。自分の人生に等しい「X」という冠を、本プロジェクトにつけていることは、X JAPANの活動状況と無関係であるわけがない。「Lady’s X」を通じて、未来のX JAPANの在り方を模索しているのだろうか。

「ビジュアル系ガールズバンド」が市場で成り立つのか?

最終的なバンドコンセプトがどうなるか未知数だが、触れこみでは「新たなビジュアル系ガールズバンド」となっている。思えば過去を振り返っても「ビジュアル系ガールズバンド」というカテゴリ自体、世間には全くと言っていいほど浸透していないので、全く新しい音楽市場を創りだすことに等しい。

「嬢メタル」「女性V系バンド」と呼ばれるバンドも少なからずあるが、一般的な知名度は低く、商業的に成功しているとは言い難い。それでも敢えてガールズバンドで勝負するということであれば、それなりの理由があるはずだ。

きゃりーぱみゅぱみゅやBABY METALの存在

日本人アーティストの中で、いま最も海外で注目されているアーティストといえば、「きゃりーぱみゅぱみゅ」か「BABY METAL」を挙げる人が多いだろう。きゃりーは日本のサブカルチャーをキャッチーなメッセージと、シンボリックなビジュアルで一般大衆化し、同時期に海外で巻き起こったジャパンカルチャー旋風に乗って、大きな人気を博している。

一方でBABY METALは、アイドルにメタル要素を加え、「メタルダンスユニット」という新たな市場を創造した。メタル好きが多い海外で人気に火を付き、(結果的にX JAPANよりも先に)Wembley Arena公演を成功させている。日本では逆輸入バンドとして紹介されるケースもある。

2組のアーティストに共通していえるのはいずれも女性であること。そして新しい音楽市場を生み出した点にある。日本の音楽市場が不況に喘ぐ中、女性アーティストの国内外の活躍は、今や男性アーティストの追随を許さない。

いずれ「Lady’s X」も海外展開を視野に入れているのであれば、彼女らのアーティスト戦略は十分に参考になるだろう。実際、YOSHIKIはきゃりーやBABY METALのライブに足を運んでいる様子を、自身のInstagramでも報告している。女性限定の「ガールズバンド」という形態でプロジェクトを発表したのも、彼女らのライブからインスパイアされた部分も大きかったのではないか。

今後の展開は?

まだ始まったばかりのプロジェクトで、その全貌が明らかになるのは、まだ当分先になりそうだが、果たして飽きっぽいYOSHIKIが「Lady’s X」を、「ビジュアル系ガールズバンド」という市場確立までプロデュースし続けることができるのか?が個人的な最大の関心事である。YOSHIKIはプロデュースアーティストこそ多いが、継続的に一人のアーティストをプロデュースしたのは「Dir en grey」の4曲が最高だった。

いずれにせよ、YOSHIKIの中で新しい何かが動き始めていることは間違いない。X JAPANとの関係性も含め、今後の続報に大いに期待したい。

「Lady’s X」公式サイトはこちら

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